令和2年7月29日(水)、加古川経営者協会・加古川商工会議所・(一社)神戸経済同友会東播部会の共催による時事文化講演会を開催。講師には兵庫大学 看護学科 教授 兒玉 拓 氏 をお招きし、演題「皆さんは“いびき”していませんか」~隠された疾患 睡眠時無呼吸症候群~について拝聴しました。
【講演内容】
(1)睡眠時無呼吸症候群はどんな病気でしょうか
眠っている間に呼吸が止まる病気です。患者は寝ている間に、気付かないうちに、日常生活に様々なリスクが生じる可能性があります。睡眠中に呼吸停止が繰り返されることで、身体の中の酸素が減少、体は酸素不足を補おうと、身体は心拍数を上げて呼吸を再開させようとします。心拍数が上がると、寝ている本人は気が付いていなくても無意識に脳や身体が断続的に覚醒した状態になります。睡眠中でも身体は休息できていません。強い眠気や倦怠感、集中力の低下などが、引き起こされ、日中の様々な活動に影響が出てきます。
(2)睡眠時無呼吸症候群になりやすい人
中年男性に多い病気です。男性に多い理由は男性特有の脂肪のつき方・体系が関係しています。女性と比較して男性は上半身に脂肪がつきやすいのが特徴で、男性は頸部への脂肪の分散割合がより高い傾向がみられる。また、痩せてるからと言って安心は禁物、首が短く太い人、下あごが小さくて、小顔の人、歯並びの悪い人、閉経後の女性も発症があります。無呼吸症候群の潜在患者数は米国では人口の6%、日本では2~6%と推測されています。
(3)無呼吸症候群になると心配な事
無呼吸症候群の方の交通事故発生率は健全な運転者の約2.6倍、高血圧の発症リスクが健常者の1.4~2.9倍、脳卒中・脳梗塞発症リスクが3.3倍、糖尿病の発症リスクが4倍になると各々報告されています。
(4)睡眠時無呼吸症候群の予防と検査、治療について
①予防として肥満の改善、定常的な寝酒は控える。
②簡易診断器を用い自宅で簡単に検査が可能。病院では精密検査(1泊)も可能です。
③治療については、CPAP療法(持続陽圧固有療法)が最も普及している治療方法です。中等症以上でしたらきちんとした治療をお勧めします。人生100年を見据えて早期診断・早期治療をしましょう。
<講師の児玉教授>
<講演会風景>