去る、令和4年5月30日(月)、加古川経営者協会定時総会終了後に、加古川経営者協会・加古川商工会議所・神戸経済同友会東播部会の共催による「経営講演会」を開催いたしました。講師には株式会社CCCメディアハウス前代表取締役社長 小林圭太様をお招きし、『出版界茶話―編集者から見た世界』と題して参加者56人へご講演を頂きました。
ご講演は、大学入学経緯に始まり、大学時代での経験が編集の世界に入るきっかけとなったこと。その後は、編集者としてファッション雑誌を担当された際、編集業界では1980年代から女性が活躍されているお話また、雑誌収入は大きく分けると「雑誌の売り上げ」と「広告収入」があり、広告主の意思に沿った内容にすることを意識するが、雑誌は売れなければ成り立たないとのこと。
役員になられてからは、編集者と兼務されていた時もあり、経営の観点と自分のしたい仕事との狭間でご苦労を重ねられたとのお話がありました。
出版物の売り上げは1996年がピーク(推定金額26,564億円)で、以後下降線を辿っていたが2014年頃からは電子出版の占める割合が増えていき2020年の売り上げ(推定金額16,168億円)の内約24%となっていること。電子出版の多くは『コミック』であり、今後ますますウエートが増していくことが予想される。売り上げの減少と電子出版へのシフトにより書店数も最大3万店舗ほどあったのが今では8千店舗まで減少。今後はコミックと連携しなければ『書籍』『雑誌』は収益が向上しない。この事が株式会社CCCメディアハウスを退職される一因となった。出版業界の変遷を通じて各業界においても将来を見据えたアクションが重要である。