5月26日(金)、参加者16名(事務局含む)にて、京セラファインセラミック館・稲盛ライブラリーを見学して見聞を広げていただき、そのあと、嵐山散策およびトロッコ列車(嵯峨駅▶▶亀岡駅)に乗車し、初参加者も加わった中で親睦を深めてきました。
“京セラファインセラミック館”
同館は、京セラ株式会社が取り組む文化事業の一環として、1998年10月に本社ビル2階に開館された。
ファインセラミックスを学ぶ学生や研究者の方はもとより、広く一般の方々に理解を深めていただくことを願い、創業以来のファインセラミック技術の発展過程を公開している。
来客数は年間約2万人、うち外国人が1.4万人でその内1.2万人が中国人とのことで、国内より海外の方に人気があるとの話がありました。
また中学・高校生が増えてきており、働く意義を学び発表させるような、研修の一環としても人気が出てきているとのこと。
以下、全てガイドの池田成男氏(総務人事本部 オペレーション課責任者)案内による、とても分かりやすい説明のもとでの見学となりました。
◎視聴
まず、稲盛和夫氏の生い立ちをスクリーンにて視聴。
戦争の影響で、思うような高校や大学に行けなかったが、鹿児島県立大学(後年鹿児島大学に統合)の工学部応用化学で有機化学を専攻。ゆくゆくこの経験が偉大な実業家へと飛躍されることになる。
カンラン石族の鉱物であるマグネシウムの10%を鉄で置換した「フォルステライト」を日本初に発明されたのが稲盛氏によるもので、これはテレビ生産には欠かせないものであります。
京セラ発展の原動力についても触れられ、それが「京セラフィソロフィ」であると。
全社員に経営理念を浸透させるために作った指針のようなものです。アメーバ(リーダー)経営、いわゆる全員参加型で士気を高め合うことが、次から次への飛躍を生むとの精神が京セラ社員に浸透している。
◎見学
<ファインセラミックスの基礎知識コーナー>
「焼き物」と「ファインセラミックス」の違いや、ファインセラミックスの出現までの歴史を展示。
一般的な陶器類など焼き物の窯の温度は700~900℃程度に対し、ファインセラミックスは1,800~1,900℃と高温であり且つ純度が高い。
また硬さ(硬度)についても最高に硬いとされるダイヤモンドは「10」、ファインセラミックスは次に硬い「9」のランクに位置する。ファインセラミックスは粉末を固めて焼くため、焼き上がりの体積は約40%縮むため、製造においてはかなり高度な精度が求められる。
<ファインセラミックスの技術変遷コーナー>
京セラが開発してきた数多くの製品を、1959年の創業当時から年代を追って展示されている。
私的にも興味があった一つが、1984年にはゴルフのパターが製品化されたが最終的には失敗作だとか。
ゴルフをされる方はよくご存じかと思いますが、平面性が鉄より優れており方向性は抜群。
しかし反発力が大きすぎて不人気だったと。
これは硬度が影響している表れとのことです。
その他、鉄より「熱」が伝わりやすい特徴を活かして、トイレのウォシュレットにも水が瞬時にお湯になる部品として使用されている。
”稲盛ライブラリー”
京セラグループが21世紀においてもさらに成長し続ける企業でありたいとの思いを込め、創業者稲盛和夫の人生哲学、経営哲学である京セラフィロソフィを学び、継承することを目的に2013年に開設。フロアは5Fまでありますが、時間の関係上3Fと4Fを見学しました。
【3F】稲盛氏の思想を人生哲学、経営哲学に分け展示。
入ってすぐのところに、稲盛氏が最後まで繰り返し読んでいたとされる「南州翁遺訓」が展示。付箋もいっぱい付されていたことや、「六つの精進」については、特に6番目の「感性的な悩みをしない」とはどういう意味か?
それは、”悩んでも仕方がないことでくよくよと心を痛めたりするような悩み方をしてはならない”ということだと、
ガイドさんが強調して説明してくださったのが印象的でした。
【4階】盛和塾や稲盛財団の関係を中心に展示。
稲盛氏は盛和塾でボランティアで講演をしていたとのこと。有名な「利他の心」の考えを継承。
私たちの心には「自分だけがよければいい」と考える利己の心と、「自分を犠牲にしても他の人を助けよう」とする利他の心があります。
より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなくまわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断すべき、と。
さて、研修(見学)は午前中でシャットダウン。
午後からは楽しい、昼食、嵐山散策(お土産)、トロッコ列車に乗車。
平安神宮のすぐ隣にある「天ぷら圓堂 岡ざき邸」で、経営労働会議議長堀尾様による乾杯発声のもと、揚げたての天ぷらを1時間以上かけてゆっくりと昼食。
一品ずつ揚げたてを着物姿の店員が丁寧に配膳してくれました。
嵐山散策は少し時間が押していたため土産物をゲットするのに必死、少し暑かったためソフトクリームを食される方もいらっしゃいました。
そしてトロッコ嵯峨駅まで少し小道を歩いて乗車、トロッコ列車で保津川の渓谷を眺めながら亀岡駅に到着。
ここからバスにて帰路につくこととなりました。
最後に、今回ご参加いただきました皆様、お疲れ様でした。
また、残念ながら参加できなかった皆様には、是非来年度の研修にご参加いただきますよう、よろしくお願いいたします。