2月19日(月)に、加古川経営者協会・加古川商工会議所・(一社)神戸経済同友会東播部会の三者共催による新春経済講演会を開催しました。
講師には、昨年に引き続き日本銀行神戸支店長 竜田 博之様をお招きし、テーマ「2024年経済展望!」として、ご講演をいただき、60名の方々が拝聴しました。
ご講演の経済状況概要要旨としましては、
世界経済については、平均成長率が1980年から2022年の平均で+3.4%でIMFの予測では、2024年、2025年は約+3%で牽引しているのは、インド、中国です。
国別では、まずアメリカは昨年インフレが進み金利の引き上げ(9%)をしていたが、昨年10月頃より物価が下がり今年に入ってからは金利が5%で景気は堅調な状況にある。心配事しては、大統領選挙と若年層のクレジットカード未払いによる破綻がある。
ヨーロッパについては、景気は緩やかに減速している。一番の原因はエネルギーでロシアから安価で購入していた天然ガスの調達に支障が出たことに加えて商業用不動産設備の値段が下落している。
中国の経済成長率は5.2%で低下してきておりその理由は、不動産とアメリカ・ヨーロッパとのいざこざがある。対策として、国債発行と旅行による国内消費を推し進めている。
世界経済を端的に言えば『回復ペースが鈍化している 不確実だが緩やかに回復する』となる。
日本の経済は、緩やかに回復している。個人消費はコロナで低下したが、ベントアップ需要により上昇してきている。
企業については、輸出・輸入共に伸びてきておりその原因の一つには円安がある。経常利益は過去最高に達しており、その利益は設備投資に使用している。日本銀行の経済見通しはプラス成長としている。
消費者物価指数を2%で安定するためには、
・第一の力として「輸入物価」「企業間物価」が下がってきている。
・第二の力は物価と賃金の好循環で、適正な値段を物に付けて利益を得ることで賃金を上昇させる。
従業員一人当たりの経常利益が、大企業は上がってきているが中小企業はそれほど上がっていない。
生産性を向上させる等対策は種々あるが、企業の新陳代謝を進めることで人材をつないでいく事が求められている。
日銀の動きとしては、2%の物価上昇を目指している。その理由は、
・消費者物価指数の計測誤差
・物価下落と景気悪化の悪循環への備え
・「2%」はグローバル・スタンダード